1993年、日本で最初にユネスコ・世界自然遺産へ登録された屋久島。
毎年、30万人以上の観光客が訪れる世界にも有名な島です。
今回は知られざる屋久島でのダイビングのお話。
亜熱帯と温帯の海
屋久島は九州・鹿児島空港から飛行機で約40分。
あるいは鹿児島本港から船で1時間45分ほどと、実は意外と近い島。
気候も亜熱帯と温帯の中間に位置し、海の中も両方の生物が混在しています。
伊豆でも多く見られるキンギョハナダイ
ヨスジフエダイとアカヒメジ
亜熱帯ならでは。ハナヒゲウツボ。
ホタテツノハゼ。
北半球一のアカウミガメ産卵数
北部にある永田地区・いなか浜は、北半球一のアカウミガメ産卵地としても有名。
夏前から連日のようにアカウミガメが上陸し、夏〜秋にかけて産卵と孵化のシーズンになります。
その数は年間で1000回をゆうに超え、10万個以上の卵が生まれます。
運が良ければ孵化直後の子ガメに会うことも。
孵化直後の子ガメに会えば感動もひとしお。
しかし、そんな子ガメたちには大きな試練が待ち構えています。
体長約10cmほどの赤ん坊は、波に揉まれながらひたすら沖へ沖へ。
途中、大型の海洋生物や海鳥に襲われながらも、ただ必死に沖へ沖へ。
なんとか黒潮に乗り、アメリカ西海岸沖から南下しメキシコ沖で成長し、そして日本へ。
その期間はなんと約30年。
無事に親ガメとなり戻ってくる確率は5000分の1と言われています。
ダイビング中でもウミガメは多く見られます。
戦闘機が沈むポイント・ゼロ戦
第二次世界大戦末期、沖縄ではアメリカ軍が上陸。
鹿児島からも多くの戦闘機が飛び立ち、人々を守ろうと必死に戦いました。
屋久島には、鹿児島を出発した戦闘機が不時着したポイントを潜ることができます。
その名もゼロ戦。
80年の時を経て。
正確には機体名は異なるそうですが、現在はすっかり生物たちの住処と化しています。
ゼロ戦の主・アザハタ
背景を知るといろいろと考えてしまいますが、陸上の出来事など海の生物たちには関係なく。
自然の雄大さにただただ圧倒されてしまいます。
海の豊かさの根幹
屋久島は島の90%が森林で覆われ、九州最高峰の宮之浦岳はなんと標高1936m!
他にも1000mを超える山々が39以上連座しています。
そのため、日本でもトップクラスに雨の降る島です。
1ヶ月で35日分の雨が降るとも言われる降水量は、山々に十分すぎるほどの栄養を蓄えます。
蓄えられた栄養は河川を通り海へ。
帰着日は登山もおすすめ。
屋久島の豊かさの根幹を知ることもできます。
うっそうと。
宿からは絶景の夕陽と星空
旅を彩るのに欠かせないのがアフターダイブの過ごし方。
永田地区の沖には同じ大隅諸島の口永良部島が浮かぶ。
宿から見える夕陽を見ながら食べる食事はなんとも言えない美味しさ。
永田地区は絶景の夕陽スポット。
天の川もくっきり。
街灯も少ないので、天候に恵まれれば満点の星空も。
さて、今回は世界遺産・屋久島の海をご紹介しました。
海に山に夕陽に星に。
自然を大満喫できるのが屋久島なのです。
この記事を読んで、少しでも興味を持っていただければ幸いです。
厚木店 宮本(祐)